HICT2025は無事に終了いたしました（2） – ヘルスイノベーションカンファレンス殿町2025

2月22日（土）シンポジウム～ポスター発表～招待講演等の様子

カンファレンス2日目にあたる2月22日(土)は本学ヘルスイノベーション研究科のある川崎キャンパスにて開催、朝8時50分より2つのシンポジウムが同時に始まりました。

シンポジウム1「地域の健康づくりと未病」

シンポジウム1はSHI津野　香奈美教授がモデレータを務め、2名の登壇者による発表が行われました。五味真紀氏（特定非営利活動法人ハートフルポート・代表）は「健康なまちづくりはつながりづくりから」と題した講演の中で、ご自身が取り組む活動を紹介しつつ、健康なまちを作る上での人と人のつながりの重要性について強調しました。また、本学SHI久保田悠講師は「神奈川県における地域住民を対象にしたオーラルフレイル対策」と題して、オーラルフレイルの問題について触れた後、神奈川県や海外で取り組まれている地域でのオーラルフレイル対策を紹介しました。その後、津野教授・五味氏・久保田講師によるパネルディスカッションが行われ、地域における健康づくりの課題と今後への期待が議論されました。

シンポジウム2「ヘルスイノベーションの実装」

本学SHIの徳野慎一教授がモデレータを務めたシンポジウム2では、徳野教授を含む3名の登壇者が、様々な技術を通じたヘルスケア向上の取り組みについて紹介を行いました。最初に登壇した長澤誠氏　（CYBERDYNE株式会社）は、ロボットスーツの概要と介護現場におけるテクノロジーの活用によって期待される未来について紹介を行いました。また本学SHI根本裕太講師は、eスポーツの実諸研究について紹介し、その意義や可能性について考察を展開しました。さらに徳野慎一教授は、様々な健康状態を音声を用いて測定する技術を紹介し、このような技術の様々な適用可能性について指摘しました。

ポスターセッション

シンポジウム1・2の終了後は、キャンパス内のロビーを使ったポスター発表のQAセッションが行われました。事前に応募を受け付けた19のポスターの前では、発表者が参加者からの質問を受けたり、参加者同士の交流が活発に行われました。

実中研　野村理事長ご挨拶

ポスターセッションの終了後、シンポジウム3の開始に先立ち、キングスカイフロントの発展に長く寄与されてきた実中研・野村龍太理事長よりご挨拶をいただきました。野村理事長には本学でもご講義をいただいており、キングスカイフロントの発展の経緯や、SHI/CIPへの期待を述べていただきました。

シンポジウム3「地域の健康づくりにおける大学の役割」

シンポジウム3では、本学を含む公立大学の教員が参加し、地域の健康づくりや行政との協働において大学が果たす役割や可能性、さらなる価値創造に向けた期待について議論が行われました。本学SHIの渡邊亮教授がモデレータを務め、本学栄養学科の田中和美教授、川崎市立看護大学副学長の荒木田美香子教授、さらに横浜市立大学公衆衛生学教室の後藤温主任教授が、各大学の取り組みについて紹介しました。その後のパネルディスカッションでは、各大学が協働することでさらなる価値創出に繋がることや、今後の連携強化に向けた期待が示されました。

特別講演「地域の健康づくりにおける大学への期待」

続く特別講演では、神奈川県副知事の首藤健治氏をお招きし、「地域の健康づくりにおける大学への期待」というテーマでご講演をいただきました。首藤副知事からは、社会のパラダイム転換に関するご指摘を踏まえ、社会の変化に対応できるアカデミアとして本学への期待を述べていただきました。

招待講演「地域主体の健康づくり（プライマリーヘルスケア）」

本カンファレンスの最後は、招待講演として2名の演者をお招きし、「地域主体の健康づくり」の重要性について、議論を重ねました。モデレータを務めた本学副学長の鄭雄一教授による演者紹介に続き、WHO西太平洋地域事務局のDr. Shinjiro Nozakiからは、WHOの成り立ちとWHOにおけるプライマリーヘルスケアの重視や取り組みについてご講演いただきました。さらに、タイ・マヒドン大学のDr. Mathuros Tipayamongkholgulには、タイにおける自殺対策とプライマリーヘルスケアの役割についてご紹介いただきました。質疑応答の時間も含め、活発な議論が交わされました。

なお、この招待講演は英語で行われました。